
ベースラインとは、省エネルギー改修以前のエネルギー消費ないしは光熱費支出をいう。改修後のエネルギー消費とベースラインを比較することで省エネルギー効果の判断が可能となる。
ベースラインの設定には、通常3年間程度の料金請求書あるいはエネルギー消費実績で概ね把握することができると言われている。これは、建物全体での省エネルギー効果を大雑把に把握する場合であり、この際のベースラインは建物のエネルギー消費で設定する。
一方、通常ESCO事業が行う省エネルギー改修工事は建物の一部の改修となる。また導入する省エネルギー手法も複数になる場合が多くなる。例えば、高効率照明機器への変更と、空調設備の高効率化、空調制御方法の更新の組み合わせなどである。空調制御方法を更新した場合は、空調熱源と空調動力、両者の省エネルギーに寄与するが、部屋の稼働状況、気候の変化等によってエネルギー消費は変化する。この時、照明用電力消費は稼働時間の影響は受けるが、気温の影響は受けない。このように、複数の省エネルギー手法を導入した場合、建物全体でベースラインを設定しても、省エネルギー効果を正確に把握することは困難になる。このような場合には、導入する省エネルギー手法毎にベースラインを設定することが必要になる。
ベースラインの設定は、改修工事の計画時に省エネルギー効果を推計する際に必要になる。この段階で数日から数ヶ月の実測を伴うデータ収集を行うことも考えられるが、通常の場合、詳細なデータを収集することは困難である。このような際には、改修工事終了後、部分的な実測を行うなどデータを補完し、ベースラインの設定を見直すことも必要である。このような作業をベースラインの調整という。
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